私が見た夢


 さぁ、今回は夢についてお話ししましょう。といっても、ここでいう夢とは寝ているときに見た夢だ。つい最近不思議というか、悲しいというか、とにかくそんな夢を見ました。

 数日前のこと。私はダイエーで買い物をしていた。するとスーツを着たパパと3〜4歳くらいの子供が一緒に買い物をしていた。その子はとても可愛くて、元気にパパの近くを歩き回って楽しそうに買い物していた。普段子供をかわいい〜!なんてあまり考えない私がそう思った。その二人がそのまま夢に出てきたのだ。

 その次の日くらいだったろうか。私は最近不眠症気味でちょっと寝る前はつらい日々を送っていた。そしてようやく眠りについてからだ。

 夢の始まりはというと・・・

 私はそのパパとお付きあいするところから始まった。パパはゲイではなかったが、私を見初めたという。私なら!と。(爆)男二人の暮らしは寂しいし、あの子にも必要だというのだ。夢の中でも私は冷静に『私も男だけど・・・このひとなに言ってんだろう・・・』とおもってはいた。そして、「それはできないよ。だってそんなことして“広樹(ひろき)(パパの子)”はどうすんの?近所からなんていわれると思ってるの?あんたそれに耐えられるの?そんな生活したことないでしょう?」と断っていたが、パパの熱意と広樹がなついてたこともあってお付き合いして一緒に住むことになったのだ。夢の中でもちょっと急展開すぎとは感じていたけど・・・

 パパは私を家族として暖かく迎えてくれて、広樹も快く受け入れてくれた。そしてなぜか私をママと呼ぶ。私は心から愛した。広樹を・・・パパを・・・。パパはどこに行くのも私たちを連れて行ってくれて、公園、ドライブ、旅行、買い物と普通の家族のように接してくれた。行く先々では、皆噂話をしている、ひそひそと。私だけが必要以上に気にして、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。だって、私は広樹をだっこして歩いたりしてそりゃあはたから見たら異常な光景だろう。

 それでも何も変わることなく生活は続いていった。広樹は幼稚園で家族の絵を書いたといって見せてくれた。そこには男二人と自分が描かれた絵だった。嬉しいやら悲しいやら複雑な気持ちだった。それからも幸せな生活は続いた。

 広樹は小学校に入り、とうとう恐れてた日が来てしまった。『授業参観』だ。もちろん私は出るつもりなどない。でもパパは行けないから行ってくれというし、広樹もママがくればいいよと言うのだ。渋々私はなるべく目立たないように行って見ようと思った。当日、行ってみるとお母さんばかりだ。そんな中私が目立たないはずがない。前では子供たちがお決まりのように噂する。後ろのあれは誰だ?と。すると広樹は「ママだよ!」教室はざわついた。お母さん方も先生もあっけにとられていて声も出ないという状態になった。私は45分間見て、急いで教室を出た。

 私は悩んだ。今はとても幸せだ。なに不自由ない生活を送ってるし、今度はそれをずっと・・・と願ってしまう。でも、そんなことは長く続くはずもない。私が一番良く知っていた。でも壊したくなくて大切にしたいと思う気持ちからまた変わらぬパパと広樹との生活を続けていくことにした。

 でも広樹が小学校4年生になったときだ。広樹がいじめられて帰ってきた。普段、私のことをママ”と呼んでいることに対するものだった。私はやっぱり出て行こうと思った。すると広樹は泣きながら「なんでママなのに出て行っちゃうの?なんで前のママのときと同じことするの?」と言う。パパもよくは憶えてないが、似たようなことを言っていた気がする。私はある条件を広樹に言って再びいることを決めた。それは・・・

 「広樹、これからママって言っちゃダメだよ。これからは”きよ”って言うんだよ。そうしないとママは居られなくなっちゃうから。お願いだからそう呼んで。あとね、ママもうひとつ言っておくね。今はわかんないかもしれないけど、広樹がもうちょっと大きくなったら、もしかしたら広樹はママのことを恨むことになるかもしれない。それは殺したいほどかもね。だから、もしママのことを恨みそうになったらその前に言って。そのときは出て行くからね。」 そうしてまた時は過ぎていった。

 でも今度は6年生のときだ。また同じようにいじめられて帰ってきたことがあった。そのときにはっきりと決めた。今度こそ出て行こうと。広樹も大切な時期だし、これ以上ここにいたら今までの幸せだった日々が嘘になっちゃうと思って・・・。

 そして、パパと話した。私がこれらの事情を話したらパパはわかってくれた。非常に辛い選択だった。でも広樹には言わないで出て行くことも決めた。広樹には長いようで短かった8年、楽しい思い出で記憶しててほしかったのだ。仮に後から傷ついても不思議な家族3人がいたってことを覚えててもらいたかったし。そして何事もないように1週間というときを過ごした後、家を出た。とてもつらかった。胸を引き裂かれるというのはこんな気持ちなのかと思うくらいつらかった。かばんを持って違う街に行く途中も、最後に見た広樹の顔がちらついて、ずっと号泣し続けて、そして夢は終わった。

 これが私が見た夢だ。夢から醒めて、涙がいっぱい出てた。夢の中の胸の感じがしばらく続いていた。なんか現実味を帯びていたのだ。こんな思いっきり作られたような夢でも。それより私が驚いたのは、そんな気持ちがこの私の中に残っているのかと思ったことだ。確かに中学生くらいのころは考えたこともあったけど、それ以降切実には思っていなかったのに。無意識なのかもしれないけど、母性というのが確実に存在していることについても驚いた。

 私夢って結構覚えているのです。鮮明にカラーで言ったことも。今回はこうやって文章に書いて表したけど。もし、また不思議めいたとか衝撃的な夢を見たらまた書こうと思う。夢っておもしろいと思う。所詮夢でもその時間だけは違うところにいられるから。

追伸:ちょっと都合がいいんじゃないの〜??って思った方、ごめんなさ〜い、なにぶん夢だからって〜ことで・・・(^_^;)