私の料理 　結婚してアパート住まいになり、何が一番楽しみだったかって、それは自分のお台所。 新婚なりに　ピーターラビットの皿なんか集めたり、それも楽しかったけど、自分の台所が 出来るって事　それは、女として独立した証しの様に感じていたものよ。 実家から貰ったナベや調理器具も沢山あったけど、自分なりの小さなこだわりを持ってさ、 自分の母の良い部分と好きじゃなかった部分を自分の領域で実現できるって　最高だった。 かれこれ１０年になったな。。。　自分の台所で料理をする様になって。 その中でお料理ってさ、食べてくれる相手がいるって事　重要じゃない？「美味しい」って 言ってもらいたいじゃない？　新婚の頃は、自分から「美味しい？？」な〜んて良く尋ねたものよ。 私の旦那は、「自分にとって食べる時間は一番無駄な時間なんだ」と聞いた時、　愕然としたわ。 ライフスタイルの違いって　本当に恐ろしいわよね。 私は、幼い頃から食事と言うと　職人さんに囲まれて沢山のおかずを目の前ににぎやかに 食べたものだった・・・。父は特にモリモリと食べ、小食な私だったけど　食事は楽しいってのが 当たり前だったの。父は親方でもあったから、食事の時は　その日一日の出来事を報告するかの 様に母を捕まえて話す人だった。勿論そんな父に負けじと私も話すわけ。 煮物でも、漬物でもお皿に山盛り！みるみる平らげて行く　父や職人さん。自分が食べられない子供 だったけど、好きキライの激しい子供だったけど、そんな環境が当たり前だって思っていたのよ。 逆に旦那の食事の環境は、私とは正反対。お店を営む両親は、常に食事時は居ない。夕方、彼の 母親が彼の為に作った夕食、それはきっと一人分お子様ランチの様に　一人分だったのね。 寂しさもあったと思うわ。でも、そんな環境に慣れて　いつしか食事は彼にとって重要な時間では なくなったのね。かわいそうな人だって　思うわ。ライフスタイルって変えられないのかしらね。 でもさ、食事を作る私の身を考えて頂ける？そりゃあ、もう最悪なの。 ２人の子供に恵まれた私だけど、遺伝かしら・・・子供達も小食なのよ。まあ、これから食べる様に なるって　ママ友さんとかに励まされているけどさ。望みは捨てていないわよ。 私は、やっぱり料理して食べてもらうのが　好きなの。 そりゃあ、お惣菜を買う時だってあるのよ。食べない人で楽した事も沢山あったわ。 時間をかけて作ったお料理には、一言もなく　何かの原因で、目玉焼きとベーコン、付け合せに シーチキン・マヨネーズをリクエストされて　そちらの方が美味しい！と顔に書いてある人を目の前に した時の私の気持ち、想像して頂けるかしら？？ ちなみに　外食も最悪よ。自分が頼んだ物をひたすら食べてる彼。例えば、一口プリンが食べたいって 思う時あるじゃない？「俺はこれで一杯だ」って言われたら　頼めないのよね・・・ 新婚旅行もそうだった。北海道に行ったのよね。観光各地でアイスクリームだったり、ジャガイモだった り名物ってのがあるじゃない？「俺は食えない」それでお終い。食の冒険もへったくれも無いわよね。 結婚前に気付かなかったなんて、私もその時は恋していたって証拠かしら？？ 話が反れちゃったけど、だからって負けていられないわよ！ 食事って彼の為だけに作るものじゃないもの。お友達が来た時なんて最高に楽しみだもの。 私のお友達は、大抵「美味しい！どうやって作るの？」な〜んて　私を有頂天にしてくれたわ。 彼のお友達だったら　モリモリ食べてくれたわよ。その彼の奥様に嫉妬された事もあるわ〜。 まあ、こんな事つらつら書いたら　私が凄い料理人って感じよね・・・。それは、ノーよ。 ごく・ごく普通のお料理しか出来ないわ。でも、「ちかの味」なのよ。 だからって、レシピなんて書けやしないの、その時の自分の目分量だもの。 「ちかの味」って言うのは、食べてくれたその人の中に存在する味なのよ。お料理に沢山の他の エキスが無くっちゃ感じない味って訳。その時の、お酒だったり　会話だったり　それが無いとダメ。 私にとって　お料理はとっても大切なコミュニケーションなのね。 自分が自分らしく生きる為に　どうしても必要な私のお料理。大げさかしら？ 例えそれが満たされない環境でも　自分が好きで磨いてる事は、無駄じゃないのよね。 育児で融通がきかなくたって、一生出来ない訳じゃなし、時を待てば　チャンスは訪れるもの。 ヘコム事もあるけれど、無気力になってしまうほど否定されても　自分が美味しいって思った 料理には、私の意地もエキスになっているのさ。料理の幅が狭いし、勉強してる訳じゃないけど 私は、料理が好きよ。 先日私の親友に会った時、言われたの。 「ちかのアレが食べたぁぁ〜い」って、うふふ　ナスの味ポン漬けね。みょうがとのコンビネーションは 外せないのよね。そのまま食べても良し、冷しうどんにのせたり冷し中華の具としても最高ね。 私の一品が和･洋･中　変身しちゃうって訳ね。彼女は、私の「アレ」って言う意味も分かるな。 彼女は、自分では「ちかの味」が出来ないって。嬉しい誉め言葉だって思わない？？ そして、彼女のお料理は私には真似出来ない、彼女の味があるの。 私の料理を最高にしてくれるのは、いつも私の周りにいる最高のお友達なのよ。 だから　負けてなんか居られないって事ね。どんどん磨くわよ！ ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ ２００２．０７　「私の料理」 読んで頂いてありがとうございました。 ご感想を頂けると励みになります。　是非、ｂｂｓにお気軽に！