アニメ狂  〜楽しかったアニメ達〜





 皆さんは、アニメに対する不思議さを感じたことはないだろうか。
私は幼少の頃からその不思議さを目の当たりにしてきた。 私は昔から分析するのが
好きな子供だったので、しっかり隅から隅まで観察してきた。
例えば、代表的なものとして“エースをねらえ”を挙げたいと思う。あれは不思議と
いう点では、首位の座を揺るぎ無いものにしているといえるであろう。

 まず、エースをねらえに登場する人物は、アニメの基本的お約束とも言えることで瞳
が顔の19%ほどを占めているということ。そして、お蝶夫人は高校生なのに髪の毛を
金髪にし、ウエーブは誰が見たって学生には許されるものではないことが一目瞭然である。
尚も驚かされるのは、独身のはずなのに夫人だという。みんなが口を揃えてそう言う事自体
が恐ろしい。もし仮に、女性のことを指す字の“婦人”にしても、通常口語としてはか
なり年輩の女性のことを示すのでいずれにしてもおかしい。 お蝶夫人に関してはま
だある。例のたてロールヘアーだ。あれは本当に大変だ、仮に学校が8時半に始まると
しよう。お蝶夫人の家は大変金持ちなので(ちなみにお父さんはおちょう夫人の通う
高校の理事もしている)、学校はおろかすべての行動の送り迎えは全て高級な黒の自
家用車だ。その車窓から見えるバックの背景から計算して、学校から西へ約30分の所
に、推定約350から400坪の土地を持つ屋敷があるはずだ。 話はそれたが、肝心のた
てロールヘアーを毎日いつもの様に仕上げるには、所要時間約1時間と考える。(お蝶
夫人が以前、寝る前にカーラーを巻いて寝るのを見たことがある。それを朝ほどき、
細かくたてロールをドライヤーで整えていき、もみ上げに主張を持たせる。そしてス
プレーでていねいに押さえていき完成する。) 何より、お蝶夫人は慌てる素振りな
ど感じることがない。
と以上のことを考えれば、毎朝5時くらいには起床していると確信する。なんて早起き
な女なんだ。さらに、もう一人風変わりな女がいる。ちょっとマイナーな緑川蘭子だ。
あの女もヘアースタイルに特徴がある。 蘭子は横と上にふくらみがあり、横に30
cm、上に25cmほどのふくらみがある。これ又、高校生の分際で強烈なパーマが施され
ている。(おちょう夫人をはるかにしのぐほどの強烈さで少し髪の毛の痛みが心配だ。
あの当時、いいヘアケア剤はないと思うので・・・)そしてトップのふくらみを押さえ
るかのように、両側にパッチン止めを装着し登校する。実際にあの様な女がいたなら、
そして自分の目の前に現れたなら、多分3日間は瞳を閉じれば悪夢に晒されるだろう。
 
 いずれにせよ、元々は70年代のアニメだ。それが新エースをねらえ、新新エースを
ねらえになっても、そう90年代になっても変化が見られないことが、なんとも恐ろしいこと
で、一番魅力的なことに思えてくる。

 次にこれは、不思議という点ではごへい語弊があるかもしれないが、私は“アルプス
の少女ハイジ”をこよなく愛していた。と同時にオープニングテーマが非常に好きだ
った。あの軽やかなヨーデルの響き、そして本場のヨーデルのスキャットが入ってい
るこだわりが見える主題歌だ。そのこよなく愛した歌を、私は小学校の時から4年間
ほど間違えて歌っていた。
まず、正式な歌詞を聞いてもらいたい。♪♪口笛はなぜ 遠くまで聞こえるの あの
雲はなぜ私を待ってるの おしえておじいさん おしえておじいさん おしえてアル
ムのもみの木よ♪ これが正式な歌詞だ。
次に私が、4年間うそ八百をならべたてたこっぱずかしい歌詞だ。♪♪口笛はなぜ 
奥まで聞こえるの あの頃はなぜ私をのくの 星行くおじいさん 星行くおじいさん
 星行くアルプの森の木よ♪ この歌で、ずっと友に歌を披露していた。でも驚くの
は、この詩で詩の意味を理解していたことだ。例えば、星行くおじいさんのところで
は、おじいさんが死んでしまったことになっている。それをハイジは悲しい気持ちを
叫ぶように歌っていると思っていた。そしてアルプスの森の木たちは“大きなのっぽ
の古時計”の要領でおじいさんの後を追っていっしょに天国に旅立つのだと・・・。
そんな歌唱法の意味まで考え、詩の行間を読み尽くしていた私は幼き詩人だった。
いずれにせよ、あの頃の楽しいアニメ達が、私の心に影響を与えたのは言うまでもない。